修禅寺の宝物
仏像
本尊 金剛界大日如来坐像
この地に流され命を落とした鎌倉幕府二代将軍の源頼家公の七回忌(承元四年:1210)に母である北条政子(当時54歳)から寄進された本尊の金剛界大日如来坐像です。
昭和59年に解体修理が行われた際には胎内から慶派の仏師。実慶の墨書とともに三束の髪の毛が出てきました。 髪の毛からO型とB型であることは分かったそうですが(北条政子はO型)当時の科学力ではそれが北条政子の物であるかどうかは分からなかったようです。髪の毛の束は修理後に胎内に戻され、今でも像内で眠っています。像内から髪の毛を取り出した時は艶々していたとその場に居た方から伝わっています。
毎年11月にご開帳されます。
釈迦如来坐像
指月殿に祀られている釈迦如来坐像。こちらも源頼家公の七回忌に北条政子より寄進されたました。
蓮の花を持っている珍しい釈迦如来となっています。
祀られている指月殿は建立当時のままで、伊豆最古の木造建築物といわれています。
弘法大師像
本堂に祀られている弘法大師像です。
修禅寺を開創された弘法大師 空海は日本に真言密教を持ち帰られた真言宗の開祖です。
現在は曹洞宗の禅寺になっている修禅寺ですが、本堂内にてお祀りしています。
朝課(朝のおつとめ)でも本尊並びにお大師さまの前でおつとめを行っています。
画像に写る大師像はお前立ちで、後ろの厨子内に古くから伝わるこ弘法大師像が納められています。春の弘法忌法要中のみご開帳されます。
不動明王像
弘法大師像の脇侍としてお祀りされている不動明王像です。
道から外れた者たちを力づくで救済しようとされる慈悲深いほとけさまです。
修禅寺にいつからお祀りされているのかは不明ですが、火炎光背は後から新調されたようです。
毘沙門天
四天王像や二天像でよくお祀りされているほとけさまで、その場合は多聞天と呼ばれる仏の住む世界を守る神さまです。
日本では福をもたらすとして七福神の一尊となっています。
云われなど無く、いつから修禅寺にお祀りされているのか不明です。
お大師さまの脇侍としてお祀りされています。
大黒天
普段見慣れた大黒さまとは異なり、険しいお顔をした大黒天です。
よく見られる俵に乗って小槌を持つ大黒天が現れたのは江戸時代以降で、その前は険しいお顔で造られていました。
風神としてお祀りされていたとも伝わっています。
※宝物館に常設展示
伝:観音菩薩坐像
かって修禅寺境内にあった幼稚園のご本尊として祀られていた観音菩薩ですが、。覆肩衣(ふげんえ)と袈裟を着て定印を結ぶ姿から宝冠釈迦如来の可能性が高いほとけさまです。
随所に院派の特徴がみられ伊豆の彫刻史を考えるうえで貴重な作例となっています。
※宝物館にて不定期展示
宝物殿
大同二年(807)の開創より、今日に至るまで、様々なご縁で修禅寺に所蔵されている宝物が展示されています。
川端龍子が描いた八方にらみの大龍天井画は、浅草寺・池上本門寺にも描かれています。
毎年11月にはご本尊、大日如来坐像のご開帳が宝物館で行われます。
※時期により展示品の一部は変更されます。
入場料:300円
宝物殿展示品
源頼家公肖像画
鎌倉幕府二代将軍、源頼家公の肖像画です。
こちらの肖像画は、元々修禅寺が所有していた肖像画を頼家公が開基となった建仁寺に模写して贈った物です。
後に原本が焼失した際、嘉永三年(1850)に建仁寺から贈られたもので、贈進状が添えられています。
源範頼公肖像画
鎌倉幕府初代将軍、源頼朝公の義弟で鎌倉幕府の成立に大きな役割を果たしましたが、嫌疑をかけられこの地で討たれたとされています。
修禅寺では年に一度、範頼公の墓前にて法要を行っています。
宋版一切経
北条政子が亡き子である源頼家公の菩提を弔うために寄進した数千巻に及ぶ宋版一切経ですが、多くが散失し現在は八巻のみが現存しています。
その中でも第二十三巻、放光般若波羅蜜多経は北条政子の墨書が記されている貴重なものです。
江戸時代以前には元版一切経も所蔵しておりましたが、慶長15年(1610)に徳川家康公より朱印・領地との交換で増上寺に寄進されています。
頼家の面
源頼家公が謀(はかりごと)によって腫れあがった顔を、母親である北条政子に伝えるために制作したと伝わっている木彫りの面です。
明治時代の小説家で劇作家の岡本綺堂がこの地を訪れた際に、この仮面をヒントに書いた作品が明治44年(1911)に発行された【修禅寺物語】です。
この作品は歌舞伎の演目として現在も大変高い人気を誇り、過去には何度か映画化、テレビドラマ化されました。
展示品一覧
経典類
◎北条政子寄進
・宋版法華経
・放光般若経
◎行基菩薩親筆(伝)
・大般若経
◎公暁血書
・阿弥陀経(断片)
その他
文書類
◎北条早雲の寄進状
◎北条早雲の支置
◎山木の方寄進状
◎北条氏康の寄進状
◎修禅寺略縁起
その他
古器物類
◎弘法大師使用(伝)
・青磁香炉
・木製像炉
・水瓶
・童子三体
・護摩担柱
・爪彫版木
◎頼家公の面
◎独鈷(どっこ)
・出土品(七百年前の物)
◎範頼公・頼家公遺品
・陣鉦(じんがね)【頭部】
・馬具
書画類
◎川端龍子大天井画
◎北条政子寄進
・三尊仏の大幅
(表装の黒地金襴は頼家公の装束)
◎頼家公肖像画(掛軸)
◎蘭渓禅師自画像
◎横山大観作 風景画
◎安田勒彦の菩薩画像
◎山越観音(作者不詳)
その他
その他
◎『修禅寺物語』関係の品々
※時期によって替わる事がございます